学問: 2007年12月アーカイブ

私は日本生まれ日本育ちの日本人です。
けれど、日本語が喋れますと自信を持っていえなかったりします(他の言語が喋れるわけではありません)。
日本語って、本当に難しいですよね。
日本語だけではなく、その難易度は言語全体の共通事項なのでしょうが。

常々、綺麗な日本語を喋りたいなと思っています。
言語と言うのは変化し続けるものであるため、なにが綺麗でなにが綺麗じゃないかということを明確に説明できるものではありません。
たとえば、現在「丁寧」とされる日本語だって、百年前の「丁寧」とは大きく違うでしょうから。
言葉とはコミュニケーションツールである以上、ギャル語に代表されるようなローカルな日本語が綺麗じゃないと一概には言えないですよね。
でも、そうは思いながらも、綺麗とされる日本語を喋りたいという思いを失うわけではありません。
もっと正確に言うならば、実力派アナウンサーの方々が使いこなすレベルの日本語が喋りたいです。

最近、言葉についてかなり衝撃的な話題を目にしました。
それは、言語学者である金田一春彦さん(辞書の編者とし名前を見たことは絶対にあるでしょう)の「日本語を反省してみませんか」という本の中の話です。
「目上の人に塩を取ってもらうときの最も丁寧な言い方はなにか」皆様はこんな質問をされたならどんな答えを思いつくでしょうか。
「塩をとっていただけますでしょうか」これは不正解です。
だって、これは、目上の方に指示をしていることになりますものね。

正解は「すみません、それはお塩でしょうか」だそうです。
この言い方であれば、指示をしていません。
しっかりとした日本語を操る方にとっては特に驚くに値しないことかもしれませんが、わたしはこの正解を目にしたときにかなり衝撃的でした。
とってもらうときに、とってくださいということを言わない。それでいて気持ちを伝える。

綺麗な日本語の道はまだまだ険しいです。

Wikipedia 金田一春彦


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