フリーランスの事務手続きまとめ(確定申告、年金、退職金等)
私はフリーランスのWeb制作者として働いています。
会社にいるときとは異なり、様々な事務手続きを自分自身でやらないといけません。
フリーランスになるとき、及びフリーランスになってからの事務手続きについて、他の人のお役に立つかもしれませんので、まとめてみることにしました。
確定申告、保険、年金、退職金とかそういう話です。
失業保険
会社を辞めて次の仕事を見つけるまでの求職期間は通常、失業保険を受給できます。
フリーランスとして食べていくための開業準備期間はすでに求職中ではなく、失業保険の受給ができませんので気をつけてください。
不正受給が発覚した場合は返還に加え、支給額の二倍相当の金額の納付が命ぜられます。
※フリーランスでの仕事を副収入として考える人もいるかと思いますし、他にも様々なケースが考えられますので、詳しくはハローワークにてご確認下さい。
開業時の届出書類
フリーランスは税法上の扱いでは個人事業主ということになります。
開業する際には所轄の税務署に個人事業の開廃業届出書を提出します(事業開始等の日から1か月以内)。
これで個人事業主です。
ものすごく簡単な書類です。えっ、これだけってぐらいに。
屋号を書く欄がありますが、空欄で大丈夫です。つけたい人はつけましょう。
また、確定申告を白色で行うか青色で行うかの選択をする必要があります。
青色申告の場合には所得税の青色申告承認申請書も提出しないといけません(原則、承認を受けようとする年の3月15日まで(その年の1月16日以後に開業した場合には、開業の日から2か月以内))。
青色申告は帳簿を記載することにより白色申告にはない特典を受けることが可能です(家族への給与を必要経費とできる等)。
最も大きな特典は最高65万円の特別控除でしょう。
所得額は所得税はもちろんのこと、国民健康保険料や住民税にも関わってくるので、この特典はかなり大きいです。
ソフトウェアを使えば青色申告だからってなんら難しいことはありません。
ですので、個人的には青色申告をお勧めします。
書類はすべてこちらからダウンロードできます→No.2090 新たに事業を始めたときの届出など|所得税|国税庁
所轄の税務署を調べるときはこちら→国税局の所在地及び管轄区域|国税庁概要・採用|国税庁
確定申告書については国が作成用サイトを用意しています→所得税(確定申告書等作成コーナー)|申告・納税手続|国税庁
税金関連は最初に本でしっかり学習するのがよいかもしれません。
有名なのはこちらの本ですね。
国民健康保険
会社を退職して個人事業主になる場合、一般的に国民健康保険への切り替えが必要になります。家族の健康保険の被扶養者となる場合もあるかもしれませんが。
居住している市区町村の役所に行って切り替えましょう。
金額は所得等で変わります。
国民年金
会社にいるときは国民年金は給与から引かれていたかと思いますが、個人事業主は給与がないのでそうはいきません。
居住している市区町村の役所で支払いの手続きをしましょう。
20歳以上60歳未満は強制加入です。
原則として65歳以降受給、受給額は満額支払えば月額66008円です(将来どうなっているかは知りません)。
改定率によって変動しますが、納付額は月に15000円程度です。
国民年金基金
一般的に会社に所属している方は、退職後、国民年金に加えて厚生年金を受給することができます。
つまり、個人事業主に比べて受給額が多いわけです。
この差を補うために国民年金基金というものがあります。
国民年金と異なり、加入は義務ではありません。
全額所得控除のため、節税対策として利用されている方も多いようです。
小規模企業共済制度
個人事業主には退職金がありません。
ただ、小規模企業共済制度という制度があります。
要は経営者の退職金制度です。
廃業時にそれまでの積み立て金額によって共済金を受け取れます。
加入は義務ではありません。
こちらも全額所得控除のため、節税対策にもなります。
経費
ちょっと本題からずれますが、経費の代表的なものを参考までに挙げておきます。
このあたりをしっかり記帳しておけば確定申告に向けてあたふたすることはないかと思います。
領収書の類いはしっかり保管し、また、仕事用口座と生活用口座はできるだけ区別しておきましょう。
家賃や光熱費は住居兼用でも一部経費にできます。
電話もプライベートとの兼用をやはり一部経費とできます。
しっかり経費を計算して節税を。
- 地代家賃:仕事場等、土地や建物にかかるお金
- 租税公課:公的な負担金。印紙等
- 荷造運賃:商品発送のための運賃や梱包費用
- 水道光熱費:水道代、ガス代、電気代
- 旅費交通費:電車等での移動にかかったお金
- 通信費:電話代やインターネット料金や郵便代
- 広告宣伝費:DM等
- 接待交際費:食事会等
- 損害保険料:保険会社に払うお金
- 修繕費:備品の修繕等の費用
- 消耗品費:消耗品とは取得価額10万円未満または耐用年数が1年未満のものです(満たさない場合は減価償却資産扱い)
- 福利厚生費:従業員の福利厚生のための費用
業務上の書類
こちらも本題からずれますが、業務上使用する書類は開業時にフォーマットの用意をしておくのがよいかと思います。
代表的なものとしては、請求書、発注書、見積書、業務委託契約書あたりでしょうか。
また、人に仕事を発注する機会があるなら秘密保持契約書も。
Googleで検索すればいくらでもテンプレートが出てきます。
フリーランスは立場的に弱く振り回されやすい存在ですので、支払いについて等、書類関係はきっちりしておくことをお勧めします。
(たとえば見積りについては消費税5%を含むか含まないか、振込手数料が引かれるか引かれないか等も含め)
求人サイト
フリーランスになる時点で収入のある程度の当てはあるかと思いますが、以下、参考までに代表的なフリーランス向けの求人サイトです。
世の中は決してしっかりした会社ばかりではございませんので、使用する際はご注意下さい。
mixiのコミュニティで求人情報を探したり、Twitterの繋がりで仕事を受けたりもありかと思います。
最後に
まだたいした年数ではないですが、フリーランスとしてやってくることができたのは周りの人の支えによるものがものすごく大きかったです。
人脈は最高の宝物!!
この場を借りて心より感謝申し上げます。