ワールドカップに思うこと
ついに始まりました、2010 FIFA ワールドカップ。
オリンピックと並ぶ世界最大のスポーツイベントです。
今回のワールドカップの開幕、私は過去の同大会の際よりもずっと楽しみにしてきました。
ついに開幕した今、興奮しています。
私がそんな気持ちになったきっかけは、ネット上でのある海外の方との交流です。
彼はヨーロッパの非常にサッカーが盛んな国に住んでいます。
そんな国で生まれ育った彼はサッカーが大好きです。
一年以上前、交流するようになった最初の頃からずっと、彼との話題の多くはサッカーでした。
私が言うまでもなく、彼に限らず、サッカーは世界中の人に愛されています。
私が一番好きなスポーツは野球ですけれど、世界的人気で比べるとものすごい差でしょう。
ルーニー、メッシ、クリスティアーノ・ロナウドといったサッカー界のスーパースターたちのことは海外の多くの人が知っています。
つまり、サッカーの話題というのは海外の人と交流する上では非常に良いコミュニケーションツールです。
コミュニケーションツールというとなんか聞こえが悪いような気もします。
人と仲良くなるために無理してサッカーの知識を得ていますといった感じにとられそうで。
でも、決してそうではなくて、私は彼を始めとした海外の人と交流する過程でサッカーに自然に興味を持つようになりました。
日本がワールドカップへの出場を決めたとき、彼はおめでとうとメッセージをくれました。
彼の国がワールドカップへの出場を決めたとき、私はおめでとうとメッセージを伝えました。
ある日、私は彼に以下のようなことを言いました。
「日本はワールドカップに出られるけれど決していいチームじゃないんだよ。アジアのレベルは低いしね」
そんな私の言葉に対して、彼は次のような言葉を返してきました。
「日本はいいチームだよ。だって、正々堂々と予選を通過してワールドカップへの出場資格を得たんだ」
彼の言う通りです。
日本はアジア地区予選を立派に勝ち残ってワールドカップへの出場資格を得ました。
れっきとしたアジアの代表です。
ワールドカップへの出場資格を認められたという意味では他の31国と同じ立場です。
海外の人が日本代表を褒めてくれたことが嬉しく、また、自国の代表をいいチームではないと安易に言った自分がすごく情けなくなりました。
世界中の強豪に比べれば日本は弱い。最下位付近の実力しかないもしれない。
けれど、日本の代表であり、またアジアの代表でもある。
選ばれた選手がいれば落選した選手もいる。日本がワールドカップに出場できたことによってワールドカップに出場できなかった国がある。
勝者を否定することは敗者をさらに否定することに繋がる。
諦めの思いを気軽に外に出すべきではないのではないか、特にワールドカップを楽しみにしている人に伝えるべきではなかったのではないか。
諦めちゃいけないのではないか。
勝負の世界は誰もが全力で勝ちを狙っているからこそ魅力的なものになる。
それは選手だけの話ではなくて、応援する人だって、他国のファンの冷めた目に触れれば良い気はしないだろう。
「自国と同じだけ日本のことも応援しているよ」
彼は言ってくれた。
「私も日本のことはもちろん、君の国のことを応援するよ」
私は言った。
スポーツは誰かを卑しめるためのものではなく、こうして人と人を繋げるためのものだと思うのです。