アサニシマサ(冨成鉄さん)
11月2日~8日に西荻窪のSWAMPにて開催の冨成鉄さんの写真展「アサニシマサ」に、先日、行ってきました。
わたしが冨成さんの写真に魅入られるようになってから初、念願の東京での個展です。
写真展「アサニシマサ」の詳しい情報はこちらをクリックしてください。
いつもディスプレイ越しに触れている冨成さんの写真たち、今回初めて出力された形で見る機会となったのですが……ディスプレイ越しに見るよりずっと良いだろうと想像して行ったものの……想像を上回る素晴らしさでした。
壁一面に貼られた冨成さんの作品たちは、正直、恐いぐらいに"生きて"いました。
写真というのは連続する現実の中の一瞬を切り抜くものです。
つまり、写真に収められる世界というのは、現実の中に実際に存在するものなわけです(コンピュータでの加工によっては必ずしも現実と同等とは言えませんが)。
カメラマンではない人たちが撮った写真は、現実という枠組みを決して出ないでしょう(思い出という美化フィルターによって当事者にとって現実以上の輝きを持つことはあるものの)。
冨成さんの作品たちは、現実を映したものでありながらも、非現実的な輝きを持っていました。
それはライトの当て方や構図の巧さといった技術面がまず理由としてあるかと思います。写真知識ないので詳しくはわからないですが。
ただ、その非現実的な輝きの本当の理由は、元々において現実の中に非現実的な一瞬があるからなのかなと思わされました。
わたしたちが普段、気づかない、あるいは現実に埋もれてしまって気づけないだけで、非現実的な美しき瞬間が確かに目の前に存在している……そして、冨成さんはその非現実的な一瞬をとらえることができるカメラマン……なのかなと。
理屈云々はともかく、現実の恐いぐらいの美しさにわたしが気づかされたのは紛れもない事実です。
これから訪れる方々のために詳しくは書きませんが、同時開催のスライドショー写真展もかなり良かったです。
西荻窪と言う良い意味で庶民的な町の中、なんだか幻想的な気分を味あわせていただきました。
世界というのは、常時、輝きの連続なのかもしれない……。
11月8日まで開催中ですので、ぜひ行ってみていただきたいです。