若者のマナー

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「最近の若い者は」
という類の言葉がエジプトのピラミッドにも書かれているというのはかなり有名なお話ですね。
(実際には昔の方がよかったという程度の意味合いを拡大解釈したものという話も聞きますが)

テレビを見ていると若者のマナーについて問題視して取り上げていることが多いように思います。
それは実際にそうであるか以前に若者に自らを振り返ってみてもらいたいという意思があるのでしょう。
歳をとればとるほど自分を変えるというのは難しくなりますから。
でも、あまりに言われると逆に反発したくなるのもまた人間です。
納得行かなければ行かないほど、反発する気持ちは強くなります。

実際に若者のマナーというのはどうなのだろうと考えることが多々あります。
若者のマナーについてというより、マナー全般についてといった方が適切かもしれません。
最近、仕事関係でこれまで以上にビジネス的なやり取りをすることが増えたもので。

絶対評価として考えるならば、若者に限ってではないですが、大抵の方に直すべき箇所があると思います。わたしも含めてです。
ただ、相対評価として考えるとどうなのでしょうか。
つまり「最近の若い者はマナーが悪い」という意見は「若い者以外に比べて」という前置きをつけたときに果たして成り立つものなのか……。

最近の若い者について報道で問題視するときは「敬語を知らない」ですとか「電車内で床に座る」といった実例と共に取り上げられることが多いように思います。
そういった例を否定するつもりはないですが、例を並べられるとその例だけが際立って見えてしまうのが厄介です(いわゆる箇条書きマジックの類)。
メディアは情報を取捨選択する過程で要点となるポイントだけを残すものですので。
また、そういった報道を作る側の大半が「若者ではない人たち」であろうということが少し気になります。
「若者ではない人たち」が大半の報道陣に、客観性を心がけているとしても、この件についての客観的な報道ができるのでしょうか。

たとえば、敬語を知らないということについて考えてみました。
実感としてこれは確かかなという気がします。
敬語を知らないというよりは、敬語を使おうとしない、目上の人を敬う気持ちが薄いという印象です。
ただ、年功序列が当たり前であった時代と年功序列が崩れた時代を同等に扱うのはいかがなものかという気がします。
また、過去に接客業をしていたことがあるのですが、店員に対する態度の悪さは若者よりも若者以外の方が圧倒的に悪かった印象があります。
「こっちは客なんだから」
そんな意識を頻繁に感じました。
マナーというのは、目上に対するものだけではなく、目下に対するものでもあるはずです。

電車内でのことについても、確かに電車内で床に座っているのは若者の方が多いかもしれないです。
報道で取り上げられるようなひどいもの(車両全体高校生が床に座っているような)は見たことが一度もないですが。
ただ、電車内マナー全体として考えると「列を守らない」ですとか「酔っ払って椅子で眠る」ですとかは若者以外ばかりであるというのが実感です。
公共の場でのマナーというところまで広げると、歩いているときに周囲に対する注意力を持っていないのも若者以外のように思います。
まあ、年齢を重なるにつれて肉体的に視野が狭くなるのでやむをえない部分もあるのかもしれないですが。

などなど色々考えてみて、自分に近い年代のマナーが最も自分としては心地よいという気がしてきました。
それは客観視出来ていないただの身内ビイキなのかもしれません。
同年代は環境や価値観が近いから当然だという意見もあるかもしれません。
でも、そうだとすると、やはりメディアの報道の客観性を疑ってしまいます。

わたしのこれまでの経験上では、ジェネレーションギャップという結論に達してしまいます。
経験が浅いからなのか、それとも実際にそうだからなのかはわからないですが。

とにかく、なんであるにせよ、誰もがマナーを大切にしていかないといけないということは確かです。

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