単位の話 後編-「1+1=?」-
子どもの頃、かの発明王エジソンの伝記を読みました。
そこに一つ、興味深いエピソードが載っていたのです。
エジソンがまだ小学生の頃のエピソードです。
先生が、子どもたちに授業をしていました。
土でつくった団子を二つ並べて、1+1が2だということを教えるのです。
それに対してエジソンは反論します。
二つの団子をくっつけてしまえば、1+1=1だという反論です(つまり、大きな一つの土団子ができるということ)。
先生はエジソンの反論を「言われたまま覚えればいいのよ」みたいな感じで拒否し、エジソンは学校を辞めて母親に勉強を習う……確かそんなエピソードでした。
子どもの頃のわたしは、エジソンは面白い発言をするなと思ったのです。
そして、1+1は2に決まっているとも思いました。エジソンをちょっと見下しました。
でも、少し冷静になってみると、エジソンが言った「1つの土団子が2つあれば大きな1つの土団子」という考えを否定できないわたしに気づくのです。
間違っているのはエジソンじゃなくて自分の方なんじゃないかと。
あれから時は流れてわたしも少し大人になって、今ではエジソンの考えに対する自分なりの解答を用意することができます。
計算式というのは単位が明確であるからこそ成り立つものだとこの口で言えるのです。
そして、単位を上手に変換すれば、1+1=1だってありえます。
つまり
小さな団子1個+小さな団子1個=小さな団子2個
という式も
小さな団子1個+小さな団子1個=大きな団子1個(※大きな団子の体積は小さな団子の二倍とする)
という式もありえるわけです。
確か単位の概念をしっかりと習うのは、小学校でも後の方だったように記憶しています(記憶違いでしたら申し訳ありません)。
それまでは確か、単位の概念を気にせず、数値のみの計算をしていました。
厳密に言えば、両辺の単位が等しい前提の計算練習ですね。
わたしは教育理論の専門家ではないですが、本当はもっと早い段階で、四則演算と同時期ぐらいに単位の概念も覚えたほうがよいのではって思うときがあります。
幼少期の思考力や理解力では無理なのかもしれないですし、他の理由があるのかもしれないですが……。
とにかく伝えたいのは、単位という概念が支えているものの大きさです。
前編と後編に分けて単位のことを書いてきて、前提の大切さ、明確なものの少なさを感じました。
だって、たとえば今回の記事で1+1=2についてさらっと流してしまいましたが、実際には1+1=2の証明って本一冊書けちゃうような難しさなんですよね。
考えすぎると頭が溶けてうにになっちゃいそうなので、これで終わりにします。
Wikipedia トーマス・エジソン
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