囚人のジレンマ

| カテゴリ:学問

新しい知識を得たときの興奮というのは、本当に大きなものです。

大人になると、まるで世界の大半を知ってしまったかのようなつもりに気づかぬうちにをなってしまいます。
けれど、実際には「常識」と呼ばれるものの中の1%ですら自分は知らないように思います。
当たり前をすべて当たり前に知っている人間って、とても格好良いです。

ということで、最近わたしが知った言葉の一つを紹介いたします。
それは「囚人のジレンマ」という言葉です。ゲーム理論や経済学という分野にて使用されているそうです。
「相手が存在する事象において最適解を見つけることの難しさ」を示したモデルケースであるとでも言えばよいでしょうか。
わたしはこの話を知ったとき、非常によくできていると感動いたしました。
無知だからこそ手にした感動……無知な自分に乾杯です(乾杯している場合ではないかもしれないですが)。

囚人のジレンマとはどういうものかといいますと……。
ある二人の人間が罪を犯して逮捕されたとします。二人は別々の場所にて取調べを受けることになりました。
犯行について供述しようとしない二人に対して、ある司法取引が持ちかけられるのです。
「このまま二人とも黙秘を続けた場合、二人はそれぞれ懲役二年を科されることになる。しかし、Bが黙秘を続けAが自白したならば、Aは無罪とし、Bは懲役十年とする。逆の場合も同じである。ただし、二人が自白した場合、二人に懲役六年をそれぞれ科す」
A、B共に相手の状況を知ることはできません。隔離されています。
その状況において、それぞれが最もベストな選択肢を考えるのです。

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Aはあることに気づきます。
「Bが黙秘したと仮定したとき、自分は黙秘なら懲役二年、自白をしたなら無罪になる」
「Bが自白した場合、自分は黙秘なら懲役十年、自白をしたなら懲役六年となる」
「つまり、Bが黙秘を続けたとしても自白したとしても、自分は自白をした方が得になる」
Aは自白することがベストだという結論を導きます。

しかし、当然Bも同じことを考えているはずです。
二人が揃って自白をした場合、それぞれに懲役六年、合計懲役十二年となります。
最適な道を選んだはずなのに、合計で見ると最悪な結果となってしまっているのです。

このようなケースを囚人のジレンマと呼びます。
最適な解を選んだはずが、結果はうまくいっていない。
自分の得を選んだが故に損をしてしまったということになります。
相手を信じて互いに黙秘していれば懲役二年で済んだわけです。
けれど、相手は自分を裏切るかもしれないと考えると、かなりのプレッシャーで悩むでしょう。

現実社会にこのような問題が「囚人」というケースで発生するかというと、司法取引の可不可等の話等含めほとんどないかもしれません。
でも、それ以外の日常だったり商売だったりのケースにおいて、こんな「相手がいるからこそ決断が難しい」って場面はかなりあるように思います。

Wikipedia ゲーム理論
Wikipedia 囚人のジレンマ

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